アートな隠れ家カフェ
- 2022/11/20
- 08:00
J)昨日は久しぶりにプチ贅沢な一時を過ごしたような気がするわ。
S)あ~、あれな。意外とええとこやったな。
J)バレンシアからドゥマゲテに向かう、ジプニーも走っている幹線道路沿いに画廊のようなところがあるって言うから、出かけたついでにちょっと寄ってみることにしたのよね。
S)場所はここやで。↓


J)いつも通っているところなのに、全く気がつかなかったわよね。
S)画廊の名前は「Shelter」。カフェも併設されてるで。

J)入ってすぐのところは展示スペースになっていて、奥がカフェスペースだったわね。独特の雰囲気があって居心地のいい空間だったわ。
S)展示品は定期的に変わるらしいんやけど、今回はトリナ・モンテネグロっていう女性の画家さんの作品で、これがまたなかなかよかったな。作者、作品についてはこんなふうに書かれてたで。

J)なんて書いてあるの?
S)オレなりに解釈すると、自分を支配する「条件付けられた考えや現実」から解き放たれて、ありのままの現実が立ち上がるに任せるのがこの人のアート活動なんやってことかな。
J)ふうん、難しいね。つまりどーゆうこと?
S)エッとな、たとえば、どんな家や社会に生まれたとか、性別とか、職業とか、宗教とか、経済状況とか、まあ、いろいろな条件のもとに人は生きてるわけやんか。けど、この人が目指してる創作活動は、そうした自分を条件づけてるものをできる限りはぎ取った生の自分の本性に従うことなんやな。
J)ふうん。つまり、自分はこんな人間なんだとかいう先入観もすてなきゃね。あと、この絵が売れるかどうかとか誰かに褒めてもらえるかどうかとかいった雑念もいだかないで、純粋な気持ちで創作するってことって言ってもいいのかしら?
S)まあ、そうも言えるかもしれん。そやから鑑賞も純粋な気持ちでせえへんとあかん。知らんけど。
J)私がこの人の絵を見て思ったのは、とても繊細できれいってこと。色の重ね方も素敵だと思ったわ。




S)この個展、「知覚の窓」っていうタイトルなんやけど、「線」で作品を作ってるって説明があるねん。線には限界がないって。一本の線があらゆるものになるんや。確かに、展示してある絵はすべて、繊細な線がいろいろなものに形を変えて知覚の世界になっていくのがわかる気がする。あんたの見方はあたってるで。
J)あなたが奥のカフェの人に聞いたら、油絵でも、アクリルでもなくて、特殊なペンを使っているって言ってたんでしょ?
S)そうや。水彩と色鉛筆、それと「メタリックペン」というのを使ってるらしい。調べたら、メタリックペンにはゴールドの色があるんや。今回の絵では、それが効果的に使われてると思ったで。
J)確かにね。
S)こういう繊細な線はオレが趣味で描いてるパステルではなかなか描けへんなあ。あんたは特に気に入ったのある?
J)私はこの2枚が気に入ったわ。


S)ああ、どっちもええ作品や。
J)作品は販売もしてるみたいだったね。すでに売却済みが多くて驚いたわ。
S)あんた、買う気やったん?お金ないから節約やで。
J)わかってるよ〜。でも昨日はちょっと贅沢してカフェで一休みしたよね。
S)ささやかな贅沢やったな(笑)。
J)あそこは奥にカフェスペースがあるのがいいね。ずっと立ちっぱなしで見ていると一息つきたくなるからね。



S)メニューはこんなやで。オレらはカプチーノのホットとアイスにしたな。↓


J)飲み物はちょっとお値段が高め?な気がしたけれど、雰囲気はとてもよかったわ。でも、びっくりしたのは、シロップが入ってなかったし、ついてもこなかったことよ。甘いものが好きなフィリピンでこんなの初めてじゃない?
S)アイスカプチーノは甘くなかったん?
J)全然!あなたのホットカプチーノは?
S)全然!あ、上に乗ってるホイップクリームがちょっと甘みあったけどな。
J)どうしたのかしら。珍しいよね。
S)気になったら言えばよかったやんか。
J)私は糖尿病があって甘さは抑えてるからいいんだけど。
S)ま、たぶん忘れただけかもしれへんで。きっとそうや。言ったらSorryとかゆうて出してくるで、きっと。
J)じゃまた今度行った時に確かめないとね。
S)ほな、今の展示は今週いっぱいらしいから、次の展示が始まったら確かめにまた行ってみよか。
J)なんだか、純粋な創作の鑑賞はどっかにいっちゃったみたいね(笑)

