ギャラリーのコンサート
- 2022/10/11
- 13:00
S)日曜日の夜、バレンシアにあるアートギャラリーMUGNAの屋外コンサートに行ったやん。久しぶりの体験で楽しかったな〜。
J)夕方6時の開演予定が、フィリピンあるあるで、結局7時半になったけど、そのおかげで、私は夕食の準備を終えてから聴きに行くことができてよかったわ。
S)遅れてもあたりまえっていうフィリピンのゆるさとそれに対する寛容、こういうときはええな。
J)何でアートギャラリーでコンサートだったのかしら。個展の最終日だからってこと?
S)そうやな。あの個展のアーティストがミュージシャンでもあるんやな。Babbu Wenceslaoさんゆうて、ドゥマゲテ出身の画家・彫刻家で、今回MUGNAでアサナモ(ASANAMO=ビサヤ語で「あなたはどこにいるの?」という意味)っちゅう個展を開いてたんやけど、その最終日を飾るイベントやったんや。
J)バンドだったね。ボーカル兼ギターがそのアーティストの人、あと、サックス、ベースギター、ドラム、キーボードの人がいたね。
S)2016年に結成したって言ってたで。1曲だけ英語の歌で、それ以外はすべてビサヤ語やった。演奏はジャズっぽい感じでオレは楽しめたけど、どうやった?
J)私も楽しめたわ。ただ、しっとりしたバラード系もあったらよかったのにって思ったけど。
S)1時間以上ぶっ続けの演奏の後、会場からの飛び入りみたいな人に代わっていったりして、1時間半後にはすっかり別のユニットになってしもたのは驚いたけどな。
J)私たちの後ろにいた若い人たちが演奏に合わせてバックコーラスをする場面もあってびっくりしちゃったわ。初めから仲間だったのかしらね?みんな上手だったもの。
S)あれ見て、つくづくオレもなにか得意な楽器があったらなあって思ったで。
J)飛び入りで参加して見事に演奏できたら拍手喝采されてたかも。私たちもはるか昔の結婚披露宴でつたないギターで弾き語りしたことあったけどね。
S)たしかに。そやけど、あれが限界やで。
J)観客は70〜80人くらいいたかしら。ビールやスナックも振る舞ってたわ。フライドチキンを売る屋台の店も来てたね。
S)ああ。予想以上の人が集まってたな。それと、会場がハイウエイ沿いだったせいで、バイクで通りかかった人が演奏に気づいて足をとめて聞いてたりしてたで。


J)私たち、その数日前に個展も見に行ったよね。
S)そうや。ちょっと展示内容を紹介しとこか。

(↑アクリル絵の具、アクリル板、LEDライトなどを使った作品。位置にこだわっているらしく、経度と緯度が記されている)

(↑これはひょっとして作者自身がモデル?オーストラリアで制作したとのことで、ここにも後ろには緯度と経度が記されている)
(↑1972年にマルコス大統領による戒厳令が始まって以後の料理の仕方というモチーフ)

(↑ドゥマゲテ海岸を埋め立ててスマートシティをつくろうという行政の計画への反対表明の作品)

(↑これは水彩画)


(↑habal-habalと呼ばれるバイクタクシー。どんだけ乗っとんねん?!)
(↑ミニシアターでのビデオクリップ上映)
J)多才な人よね。
S)まさに地元が生んだアーティストやけど、実はオーストラリアにも拠点を持って制作してるらしい。広く活動してるんやな。
J)そういう人の展覧会や演奏がこんなに近くで楽しめるのはラッキーだわ。
S)コンサートはオレらは2時間足らずで失礼したけど、演奏は人が入れ替わってさらに続く感じやったな。フィリピンの人は夜けっこう早く寝る人も多いけど、楽しむときは遅くまでとことん賑やかにやることが多いな。
J)いえるね。今はちょうどバレンシアのフィエスタの期間で、毎晩夜遅くまでたくさんの人が繰り出してるよね。
S)そやな。オレらの自宅の近くに今フィエスタに合わせて「カーニバル」っていう遊園地がオープンしてるやんか。そこが夜遅くまで大きな音で音楽とかおどろおどろしい音流してて、入場客のキャーキャーゆう声までわが家からよう聞こえるやん。
J)一昨日の日曜日はコンサートからの帰りにその遊園地のあたりで道が渋滞してたね。夜の9時半ごろだったけど。
S)車やバイクがぎょうさん来てたからな。ふだんなら閑散としてるのにな。
J)サンデーマーケットが開かれるバレンシアの中心のプラザでもステージが設営されてて、いろんな催しが行われてるのよね。
S)今年はそっちのほうには全然行ってへんけど、賑やかなんやろな。2年前に行った時はステージ上での色々なコンテストもやってたやんか。あと、今はこの期間ずっとガーデンショーというのが開かれてて、いろんな植物も売ってるで。

J)サンデーマーケットもいつもにはないくらいぎわっていたよね、

S)10月に入ってからずっとフィエスタの期間やと思ってたけど、フィエスタは明日12日やって言ってる人がおったな。
J)その日はそれぞれの家で人を招いて祝うらしいわ。
S)それでか。息子も明日はバレンシアに住む友達に招待されとるやん。
J)コロナ、コロナでずっと人出が減らされてきたけど、いよいよいろんなことが復活ね。
S)そう願いたいな。ロックダウン中の静けさには戻ってほしないで。あれはやっぱり寂しいもんな。
J)田舎暮らしにすっかりなれちゃった私たちとしては、人が多すぎるのも疲れるけど、元気なフィリピンの方がいいもんね。
S)というオレらは明日の夕食は2人やけどな。
J)周りに流されないで静か〜に過ごすのも乙なものよ(笑)

