緊急搬送、その後...③ 手術準備
- 2021/05/23
- 08:00
J)お金のことはともかく、脳神経外科医のK医師がシリマンメディカルセンターでMRI画像をスマホで撮ってきたものを見せてくれて、思った以上にたくさんの血が溜まっていることがわかって、手術する方向で動き出したよね。
S)そやな、月曜に即入院。K医師から手術をするとしたらどういう手術になるか、手術以外の治療の可能性について話を聞いて、ここはやっぱり溜まった血を抜くしかないと思って、手術の決断をしたんや。...というわけで翌日の火曜日から手術準備が始まったな。
J)早速、火曜日にインフォームド・コンセントの文書を渡されたよね。
S)あれは外科手術全般にあてはまる内容やったけど、麻酔の実施についての承諾書も含まれてた。オレが受けるのは全身麻酔ということやった。
J)その日、麻酔科の医師も説明に来てくれたわ。当日は全身麻酔だから、深夜0時過ぎたら飲食禁止って言われてたよね。
S)手術についてもいくつか質問があったから、あとでK医師からさらに詳しい説明を受けたんや。その上でサイン。
J)手術は3日(水曜)の朝8時からと決まったね。で、前日の夜と当日の朝にはシャワーに入って、シャンプーに消毒のような薬剤を混ぜて頭を洗うように言われたわ。当日の朝は早くからシャワーに入ってなんだか忙しかったよね。
S)そのシャワーの後、トイレに行ったら看護師からオムツを履くように言われて、え?ってなったけど、全身麻酔をかけることになってたからやな。いよいよ手術かと思たら緊張したな。
J)ちょっと話が脱線するかもしれないけど、ちょっと聞いてほしいんだけど、いい?
S)ええで。何や?
J)MRIの画像フィルムのことよ。医師や複数のナースから繰り返し「画像はないのか?」って聞かれて、いやになっちゃったわよ。誰か家族が取りに行けないか?とも言われたわ。
S)ああ、そうやな。あるのはK医師がスマホで撮影してきたフィルムの画像だけやったから、ホンマ大丈夫なんかいな?ってちょっと心配やったな。取りに行くことに関しては、それは無理やって言ったんや。付き添いは必ずひとりついていないとダメやって言うし、あんたは言葉の問題もあるしで行かれへんし、息子は授業やよっちゃんの世話もあるから、実際無理やねん。
J)いろんな人から何度も聞かれたけど、そんなに必要なら、なぜ私たちがメディカルセンターに結果を取りに行った時に必要って言ってくれなかったのかしら。わざわざ確認の連絡まで入れたのに。
S)ここでフィリピン人なら、家族が無理なら親戚の人に頼むってなるんやろけどな。
J)そうね。でも結局、このMRI画像については、交通費を出して病院で雇っている使いの人に頼むってことで落ち着いたんだけど、その使いの人から連絡が来て、画像は1枚に付き250ペソ(約570円)で、何枚もあるから高く尽くし、どうしようかと思案中だと言われたのよね。
S)脳外科のK先生からスマホで撮った写真見せてもろたこと話したら、K医師ならどうにかなるかもしれへん、ってことになって、手術前にはその話は出なくなったんや。
J)でも、あなたが手術室に入った後も又MRIの画像を持ってないか?と聞かれたのよ。もう、切れそうだったわ。💢
S)そうやったんか?やっぱりちゃんともらうべきやったんやろな。なんで当然のように文書だけやったんやろ。メディカルセンターの対応も良くなかった気がするで。次回は必ずもらうようにするわ。
J)やだ、次回なんてない方がいいよ〜。
S)外来患者の場合、医師からMRIやCTの「検査要求書」をもらったらどこでも都合の良い病院で検査を受ければいいんやけど、今回、ポリメディック病院は選択肢に入ってなかったんや。入院するならポリメディックってわかってたんやから、ポリメディックで検査できてたら良かったんやけど、まだ新しい病院で、十分に技師が揃ってないというのも問題やったんやな。結局、フィルムの入手まではできひんかったみたいなんやけど、K医師が撮ってきた画像の写真でわかるから大丈夫ということになったみたいや。
J)あと、まだあるわ。誰かが外に出て手に入れなきゃいけないもので覚えているのは、息子と一緒に行った前の週の水曜日に処方された薬ね。あれだけだと足りないということで、誰か買いに行ってくれないかって看護師から言われたのよね。院内の薬局に在庫がないからって。
S)それは無理や言うたら、外の薬局に使いの人が買いに行ってくれることで一件落着やった。交通費の実費をプラスして払ったな。
J)で、私たちが手元に置いていた残りの薬は看護師が持っていってしまったわよね。あんまり説明もなく持って行ってしまったからちょっとびっくりしたわ。
S)オレが持ってた喘息用の薬もそうやっった。あれ?なんで持って行ってしまうの?と思ったで。
J)どうやら入院中の薬については病院が把握して必要な時に出すというやりかたにしたかったみたいね。
S)考えてみたら当然のことかもな。勝手にいろんな薬飲まれたら治療プログラムに影響してしまうし。
J)まあ、そうね。あと、オムツは持ってますか?も聞かれたわ。普段からオムツを使っている訳でもないし、持っているわけないのにね!
S)あれは一応確かめたってことやろ?手術慣れしてる人やったら持ってきてるかもしれへんし。
J)そんな人いるの〜?
S)でもまあ、紙オムツは病院で出してもらえたんやけど、こういう時も家族親戚の付き合いが密なフィリピンだと、身内の誰かが買いに走ったりするんやろな。
J)結局そこに行き着くよね。ただ、あとで、紙オムツは病院のは高いから、と、看護師さんのひとりが交通費を出してくれれば仕事が終わった後、買ってきてあげると申し出てくれたのは助かったわね。
S)なんか、最後は愚痴話オンパレードになってしもたな(笑)あんた、相当たまってたんやな。
J)そうよ〜。話してちょっとスッキリしたわ。でも、心配してたのよ。考えてみたら頭蓋骨を切るってすごく怖いよね。手術の成功率は90~95%って言うけれど、残りの5~10%の人はどうなったの?って考えたら怖かった。義姉さんや義母さんにも、私の姉にも、日本に住んでいる息子にも連絡して皆んなに祈ってもらったわ。
S)で、当日の朝、お迎えの人たちが来て、移送用のベッドにうつされて、手術室に向かったんや。
J)手術室の前まで見送って、どうかどうか元気になって帰って来てと私自身も祈っていたわ。
S)ありがたいなあ。でも、それは次回ということで。
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