S)ドゥマゲテのダウンタウンの風景といえばなんと言ってもトライシクルやんな。
J)そうかもね。あれがタクシーに変わったら雰囲気がガラッと変わっちゃうよね。
S)そのトライシクルに異変が起こるかもしれへんというニュースがあるねん。
J)何それ?
S)ジャーン!!「グラブトライク」や!!
J)え? グローブ? ストライク? 野球の話?
S)おい待て! 何わざとらしいボケかましてんねん?
J)テヘッ( ̄∀ ̄)
S)スマホアプリを使った配車サービスの Grab が運営するトライシクルサービスのことや。バイシクル(bicycle)はバイク(bike)ってなるやろ。そやからトライシクル(tricycle)はトライク(trike)ってなるわけや。
J)そっか。
S)まずこれ見てや。
ドゥマゲテ、「グラブトライク・システム」を歓迎
ドゥマゲテ市は、グラブフィリピンのモバイルアプリを使用してトライシクルの運転手に追加の収入を与え、ここで通勤者に便利で快適な乗り心地を提供するために、市内の交通システムとして「グラブトライク・システム」を採用した。
ドゥマゲテ市のフェリペ・アントニオ・レモロ市長は、グラブトライクにより乗客は運賃の過剰課金から保護され、ドライバーと乗客の両方、およびトライシクルのユニットが包括的な保険の対象となると述べた。
(Manila Bulletin, 7月17日)
S)続いてこれや。
ドゥマゲテのグラブトライクに関する公聴会、開催される
アランゲル・コルドバ副市長主宰のもと、ケソンパークのキオスクで開催された「グラブトライク・プレミアム」の採用の可能性についての本日の公聴会に、さまざまなトライシクル協会の役員と会員、その他の利害関係者が出席した。
フェリペ・アントニオ・レモロ市長は、グラブトライクの採用の可能性を長い間支持してきた。 それは、地元の交通システムを近代化するためであり、全地球測位システムつまりGPS位置情報をアプリが使用することで安全で便利な移動を保証し、客を探してダウンタウンエリアを流して回って交通渋滞の一因になっているトライシクルの数を抑えるためである。
(ドゥマゲテ市公式HP, 7月22日)
S)最初の記事はドゥマゲテがグラブトライクを採用したってこと。2つ目のは市の公式HPやからちょっと硬いけど、要するにその導入にあたって、公聴会が開かれたゆうことや。ドゥマゲテのレモロ市長はずっとこのシステムを支持してきたんやて。
J)どんなものなの?そのグラブトライクって?
S)スマホにGrabのアプリをダウンロードして登録しておけば、利用したいときに近いところを走ってるトライシクルをアプリで呼べるシステムや。
J)Grabならセブやマニラで自家用車とかタクシーを呼んだわよね。あれは便利だったわ。値段も初めから決まってて安心だし、GPSでまさに自分のいるところに来てくれるのよね。それのトライシクル版があるってことか。
S)そう。ドゥマゲテは流しのタクシーはないから、自家用車とかタクシーを呼び出すんやなくてトライシクルを呼び出せるのがミソらしい。このシステムは数年前からフィリピンの他の地域に順次導入されてきてるんやけど、ついにドゥマゲテでも始まるってことや。
J)でも、もっと具体的に知りたいわ。車両はどうなるのかとか料金のこととか。
S)そうやな。まず車両やけど、従来のものをそのまま使うタイプと、プレミアムと呼ばれるサービスで使う車両の2つがあるらしい。プレミアムについてはRapplerのこのサイト見てくれる?写真が載ってるで。
グラブがプレミアム・トライシクルサービスを開始
呼び出し乗車の巨人、グラブフィリピンは、3輪のピアジオ・アペ車の現地販売代理店であるオートイタリア・フィリピン(AutoItalia Philippine)と提携して、トライシクル向けのプレミアムサービスを開始した。
(Rappler 2019年11月5日)
J)これは今のふつうのトライシクルとは随分違うね。サイドカーがないんだね。
S)ああ。イタリアのAutoItaliaという会社のピアジオ・アペという車両や。
この記事によると次のような特徴があるらしい。
・ユーロ4という排ガス規制基準に準拠していて、リッターあたり最大38キロまで走る。
・値段は185,000ペソ。
・バックギアがあって後進できる。(通常のトライシクルにはない性能)
・20.5%の勾配を登れる。(通常のトライシクルにはない性能)
J)でも、今のトライシクルなら8人くらい平気で乗れるけど、これだと2~3人までしか乗れそうにないね。
S)確かに。とはいっても、今のコロナ対策の中では今も2人しか乗れへんで。
J)あ、そうだった。いつのまにかすっかり変わってるんだったね。
S)ドゥマゲテ市のHPの記事には下のように続いてるで。
市議会は、グラブの適用可能な運賃体系と、ドゥマゲテ市とシブランまたはドゥマゲテ市とバコンからのトライシクルが両管轄区域の道路を合法的に通行できるようにする二重の営業権の経過について検討する。
この提案では、システムが適切に機能するかどうか、およびドゥマゲテ市での運用が可能かどうかについてのテスト段階として、まず100車両がGrab Trike Premiumを使用する。
一方、すでに市内で稼働しているトライシクルは、自分たちの車両を使用して実際にグラブトライクに申請できることが明らかになった。
(ドゥマゲテ市公式HP, 7月22日)
J)最初にあるのはドゥマゲテ市と隣の市の乗り入れについてだね。バレンシアは書いてないけど当然乗り入れするよね~
S)それを期待するわ。そして車両についてやけど、こうなってるみたいや。
つまり、ドライバーの今のままの車両で参加するのがグラブトライク。そして、ピアジオ・アペという新車両で参加するのがグラブトライク・プレミアムや。
J)なるほど。じゃあ、料金はどうなんだろう。
S)Manila Bulletinの記事によると、次のようにある。
合計P40の予約料金に対しP30プラスP10というレートおよび1キロメートルごとのP5の追加支払いにより、乗客がいる場所でのドライバーによる確かなピックアップが乗客に対して保証される。
(Manila Bulletin, 7月17日)
S)先に紹介したRapplerに他の地域の情報があるけど、それと合わせて読むと、上に書いてあるのはグラブトライク・プレミアムの料金で、最初の2キロが40ペソみたいや。
(フィリピン・グラブのトップである)Cu氏は、グラブトライクプレミアムの料金体系は、地方政府が承認した料金と、ドライバーに直接支払われるP10の予約料金によって決まると述べた。
ビナロナンの場合、地方政府は最初の2キロの運賃をP40とし、後続の1キロあたり追加のP10を承認した。
(Rappler, 2019年11月3日)
J)ややこしくなってきた~。まとめて~。
S)そやな。今の時点ではっきりしたことは分からへんけど、まとめるとたぶんこうや。
最初の2キロは40ペソ(約80円余)で固定。その後、ドゥマゲテの場合は1キロずつ5ペソ(約10円余)かかると。
J)今のトライシクルみたいに各自40ペソずつなのかしら。それなら高い気がするわ。
S)いや、そうではなくて全体でや。Manila Bulletinの記事によると、レモロ市長は「2、3人乗車でも料金が固定されているので料金を過剰に請求されるのが防止される。 移動が週に数回になれば、利益分配またはポイントシステムもある。 アプリを頻繁に使用する場合、乗客には追加の特典と利点がある」と言ったそうや。そやから、1人で乗るんやったら高くても、数人まとまったら今より安いんちゃうか。
J)かつて一人9ペソ(約18円余)だったのがコロナの検疫が始まってから15~20ペソになってるよね。だから、今は3人だと短距離でも60ペソかかったりするの。それと比べると40ペソで固定なら安いね。
でも、そうならトライシクルドライバーの収益が減っちゃうんじゃないかしら。
S)グラブ側が謳ってるところによると、1ヶ月3,000ペソから4,000ペソの増収になるゆうねん。たぶん、アプリで呼び出されるから客を探して流して回るロスがなくなるということかもしれへん。
J)でも、今のトライシクルは原則乗合いでしょ。もし相乗りをしないシステムならかえって減るかもよ。
S)なるほど。そうかもしれへんなあ。そこはようわからへんわ。
J)これまでのトライシクルはなくなっちゃうのかしら?
S)いや、そうではないってレモロ市長も断言してる。
J)じゃあ、これからは従来のトライシクルとグラブトライクのトライシクルがドゥマゲテを走り回ることになるのね。
S)ああ。ただし、こうも言ってるねん。
ドゥマゲテ市には、30のバランガイで2,000以上のペディカブが営業している。最初は、営業を開始するためにグラブに登録するのに必要なのは100人のペディキャブドライバーだけだ。 レモロ氏は、PUVMPの下では、営業する車両にはEuro4準拠のエンジンが必要であるため、トライシクルはもはや営業しなくなるだろうと説明した。
(Manila Bulletin, 7月17日)
S)PUVMPというのはフィリピンが進めてる公共車両の近代化プログラムでユーロ連合の排出基準Euro4を採用してるねん。そやから今までのトライシクルはいずれ稼働できなくなるゆうことや。
J)古いものを残しておいてほしいとも思うけど、ドゥマゲテの近代化のためには必要なことなのね。
S)近代化都市ドゥマゲテが良い街であることを期待するわ。
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