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(新型コロナ4)フィリピンの封じ込めの動き、日々の対策は?


J)新型コロナウイルスの問題は時々刻々と情報が更新されていくね。

S)ほんまや。ずっと追ってたら疲れてまうわ。

J)フィリピンの新しい動きとしては、「公衆衛生上の非常事態宣言」が発令されて、3月15日から向こう30日間、マニラ首都圏に出入りする陸海空路すべてを封鎖して首都圏への出入りを禁止したこと、同時に首都圏で夜8時から午前5時までの外出禁止令が出たこと、日本を含む国内感染のあるすべての国からの入国の制限が発表されたこと。そしてそれに続いてさらにマニラのあるルソン島全域を封鎖したことね。

S)日本の扱いについて補足やけど、この発表後、実際に中国、韓国以外で具体的に指定されたのは今のところイランとイタリアだけや。在フィリピン日本領事館のHP見ると、日本に対する封鎖は撤回されたものと理解してるって。ただ、日本の低い数字をそのまま信用する人は少ないやろから、指定されるのも時間の問題やないやろか。

J)そうね。ただ、封鎖といっても貨物輸送は例外らしいし、フィリピン人や永住ビザを持つ外国人も例外になってるよね。これから次々その他の地域も隔離されていきそうね。

S)そうや。当局によると、まずはマニラ首都圏全体で30日間の隔離措置をやって、ルソン島全体に広げたけど、それ以外の地方も、同じバランガイ(地域社会の最小単位の地区)の異なる家庭から2人の患者が出た段階でバランガイを隔離、同じミュニシパリティ、シティの中の異なるバランガイから2人の患者が出た段階でミュニシパリティ、シティなどを隔離、同じ州の2つのミュニシパリティ、シティから2人の患者が出た段階で州全体を隔離するというルールでいくらしい。

J)なるほど。手当たり次第に思いつきでやってるわけではないのね。

S)そりゃそうやろ。思いつきでやられたら混乱がおきるだけやし。

J)私たちに近いところで言うと、とうとうドゥマゲテでも死者が出たね。シリマン大学メディカルセンターのICUに入っていた人。その人と接触のあった多くの人を隔離してるんだって。

S)オレらのおるネグロスオリエンタル州も隣のネグロスオキシデンタル州も封鎖が決定して、あらゆる陸海空路がすべて閉鎖された。ネグロス島全体が封鎖されたのと同じや。

J)そういえば、ドゥマゲテでもすでにチェックが厳しくなっていて、スーパーに入るときに検温をされて消毒用のジェルを手につけられたね。バレンシアも人の集まる施設や飲食店が閉鎖されたりし始めているわ。毎週楽しみにしているサンデーマーケットも当分お休み。あ、それからネグロスオリエンタル州全体でウイルス予防策として夜9時から朝5時までの「夜間外出禁止令(curfew)」)を出したね。

S)国や州、町を挙げて封じ込めをしようとしてる感じが伝わってくるな。ウイルスは人に取り付くことで初めて増殖できるから、新たな増殖先としての人を常に探してる。そやから、それをくいとめるためには人と人の接触を避けるしかないやろうな。これは社会にとってはものすごいチャレンジや。国家運営や軍の行動にとっても影響は大きいし、経済にとってもダメージが大きい。それに、文化的習慣も根本から変えてしまうかもしれへん。

J)ところで、感染を防ぐ方法として隔離はわかるんだけど、ふだんの生活ではどうすればいいのかしら。

S)そやな。そもそもどういうふうに感染するかっていう感染経路が関係するで。
 一般的にウイルスが感染する(体内に取り込まれる)経路は次の3通りありうるってされてる。つまり「接触感染」「飛沫感染」「空気感染(飛沫核感染、エアロゾル感染)」や。それぞれとその対策について話そか。

1. 接触感染と対策

 感染者の皮膚や粘膜に直接触ったり、汚染されたドアノブ、手すり、タオルなどに触れることでウイルスが手に付着して、口とか粘膜をとおして体内に取り込まれるケースや。
 新型コロナウイルスの場合、体外に出たウイルスが金属、プラスチック、紙などの表面で数時間から最長9日間生きると言われてる。
https://interestingengineering.com/coronavirus-may-live-up-to-9-days-on-surfaces-new-study-finds
 そやから中国人民銀行は危険地帯からの紙幣を処分して、その他の地域の汚染可能性のある紙幣は隔離殺菌しているくらいや。
 接触感染を避けるには、ウイルスが付着したところを触らないこと。手袋したほうがええかもしれへんけど、それができへんかったらこまめに手を洗う、エチルアルコールで手を拭う。アルコールはウイルスのエンベロープ(覆い)を分解するから人間の受容体にも接合できなくなってウイルスが生きられへんようになるねん。
 それから大事なのは汚染された手で口や目をさわらへんことやな。
 汚染されたと思われるところはエチルアルコールで拭くとええな。


2. 飛沫感染と対策

 咳、くしゃみ、会話とかでウイルスを含む小さな水滴、つまり飛沫(5ミクロン以上の大きさがある)が飛び散る。それを直接吸い込んで、鼻の粘膜、気道の粘膜に付着して感染するケースや。
飛沫は重いから1メートルちょっと飛んで床に落ちると思ってええやろ。
 新型コロナウイルスの場合、飛沫が目の結膜に付着しても感染することがわかっている。
 これを受けるのを防ごう思ったら、口にはマスクして、目はゴーグルとか花粉用メガネやろか。それで直接相手のしぶきがかかるのは避けられるやろ。あ、それを言うたら相手と至近距離で面と向かって話すことも避けた方がええかも。最低1メートル半他人との距離を保つことも有効や。

J)あなた一挙にずいぶん話したわねえ。

S)あ、眠ってへんかったんや!

J)いや、一度眠ってさっき起きたとこ(笑)

S)なんや~

J)でも、今の話通り実行したら、今までの文化的な習慣がものすごく変わるんじゃないかしら。握手したり、ハグしたり、顔を寄せて挨拶したりって文化のある国には耐えがたいことかもよ。

S)そやな。ただ、最近は新型コロナの影響で西洋人も握手の代わりに肘と肘を軽くぶつけるelbow bump(ひじのぶつけ合い)をするようになりつつあるから変わってくるんちゃうやろか。

J)その点では離れたところでお辞儀をする日本の習慣は感染症対策向きかも。意外なところで日本の良い点を見つけた気分だわ。

S)ああ、なるほどな。面白いな。

J)あと、マスクは自分がうつらないためには役立たなくて、他人にうつさないためにするんだっていうことがよく言われるけど、どうなのかしら。

S)それは疑わしいなあ。医者がコロナ患者を処置するときは必ずマスクをするやろ。あれはまさか医者が感染してて、それを患者にうつさないためにそうしてるって有り得へんやろ。当然、医者自身がコロナウイルスをうつされないためにしてるんや。中国なんかゴーグルもして防護服もしてるで。それはすべて医者自身が感染しないためや。そうやとしたら、なんで一般人のマスク着用の場合だけ自分の防護には役立たへんなんて言うんや?おかしいやろ。まったく理解できひんわ。
下のGuardianの記事ははっきりとマスクは感染した人の近くにいるときには防御にもなるし拡散防止にもなるって書いてあるで。
https://www.theguardian.com/world/2020/mar/15/can-a-face-mask-stop-coronavirus-covid-19-facts-checked

J)マスクが足りなくなって医療従事者に行き渡らなくなるのを避ける意味もあるかもしれないけど、はじめからまるで防御にならないというような説を広めるのはどうかと思うわね。


S)その通りや。そしたら次行くで~。

3. 空気感染(飛沫核感染、エアロゾル感染)と対策

 ウイルスを含む飛沫が床に落ちるとかして水分が蒸発して、5ミクロン未満の飛沫核(エアロゾル)になって空中を浮遊する。それを吸引して感染するケース。飛沫核は比較的長時間浮遊し続けて遠くまで到達すると言われてる。
 新型コロナウイルスに関しては、WHOも米CDCも公式にはまだ空気感染の報告例はないとしてる。そやけど、空気感染の可能性は中国では早い段階から報告されてたんや。実はWHOのテドロス事務局長も比較的早い段階で記者会見でairborne(空気感染する)と重ねて発言してた。中国の発表を踏まえていたのかもしれへん。ただ、そのあと「報告例がない」に言い換えたけどな。
そしたら最近になってアメリカの研究者が論文で新型コロナウイルス は空気中で数時間生き続けると発表するに至ったんや。その論文は査読中やけど、ほぼ空気感染(飛沫核感染、エアロゾル感染)の可能性自体は証明されたと言ってええやろ。
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.03.09.20033217v2
 重要なことは、ウイルスが空気中に飛沫より小さな飛沫核(水分が乾燥した粒子)となって長時間浮遊するということや。そやからこのケースでは 2の飛沫感染 のときみたいに人との距離を1メートルあけるとか、面と向かって話さないとかだけでは避けられへん。
 同じ空気を共有する閉鎖空間に一定以上の時間いないようにすることが大事や。集会の自粛なども有効やろな。仮にそういう空間にいなければならないのなら、窓をあけるなどして空気が容易に放出されるようにすることが大事や。もしそれも叶わないのなら、やっぱりマスクとゴーグル(あるいは花粉メガネ)が防御になるんちゃうかと思うで。飛沫核になってるウイルス自体はマスクに完全には捉えられへんとしても、多少ともマスクの表面に付着してリスク低減がありうるならつけるべきやと思うねん。

J)またまた一挙に話したわね~

S)そやろ。「立て板に水」て言うてんか~

J)てか、原稿棒読みって感じ。プロンプター使ってた?

S)うるさい!どこかの首相ちゃうわい(怒)

J)でも、マスクなんか空気感染には役に立たないからしないほうがいいっていう意見も聞いたことあるよ。

S)そうや。よく「マスクが有効というエビデンスがない」という言い方も聞くけど、エビデンスって何や?科学的に実験せえへんとあかんもんやろ?未知のウイルスやねんからそんなんないわ。今の緊急時の予防原則として必要なのは、少しでも可能性のある防御策があるんやったら試すということやと思うねん。

J)ウイルスが小さくてマスクをすり抜けてしまうという説明があるよ。

S)それは飛沫核がどれくらいの大きさになって漂うかということにもかかわるし、マスクの性能にもよるし、しっかり着用するかどうかにもよるやろな。ややこしいから細かいことはここでは措いたほうがええやろけど、下の記事が参考になるから紹介しとくわ。
https://www.yoshida-pharm.com/2018/letter128/

J)どんなことが書いてあるのかしら。

S)結論的なところだけ抜き出したら、次のようになってる。
「手指衛生やマスク着用に関する報告を総合して検討すると、感染予防には手指衛生のみやマスク着用のみなど単独の方法ではなく、手指衛生にマスク着用などを追加することによる複合的な感染予防がより有効であると考えられています。」
「現在までの日常的なマスク着用による感染予防効果の報告を総合すると、手指衛生等の対策を組み合わせた複合的対策による有効性は報告されていますが、マスク単独での明確なエビデンスはないのが現状です。したがって、感染予防においては日常的なマスク着用のみで過信せず、感染対策の基本となる手指衛生等を併せて行うことが重要と思われます。」

J)なるほど。インフルエンザのような感染症の場合、手洗いだけとかマスクだけとかではなく、両者を併用をするのが一番防御になるということね。

S)ああ。参考文献のURLがついてるから、特に「7」「8」「9」を読んでみるとええで。といっても専門的な論文やから、自分もabstractとdiscussionのとこだけしか読めへんかったけど。

J)ああダメ。私なんか全然読めない~

S)下のオーストラリアの研究者の論文では、集団全体にマスクを推奨することの有意な効果はわからなくても、マスクをしっかりしている個人では感染率が低いことが指摘されてて、その理由として、病原体の吸引が避けられることと、手で顔を触ることが避けられることが挙げられてる。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2662657/

J)へえ。ちゃんとマスクの有効性が書いてあるのね。確かに、マスクをすると口は触らないね。それと、マスクをしていると防衛しているっていう意識が高まるから、手洗いや汚染されたところを触らないにするとかいう別の行動にも影響を与えているのかも。

S)そういう心理効果は大きいと思うで。あと、他人がマスクしてると、あれ、あの人マスクしてはるわ、こっちも気をつけなあかんな、て思うから社会的効果も大きい気がする。

J)国を挙げて防御の態勢に移行しているフィリピンだから、私もマスクと手指洗いはしようと思うわ。

S)そやな。オレも人混みに出るときはマスクするわ。もちろん手指洗いもな。フィリピンの国を挙げての防御に協力したいしな。まずは一人一人がかからない、他人にうつさない、を心がけることや。まあ、マスクに関してはどんな種類がええかとか、品不足の問題があるとか、いろいろ話はあるけど、今日はここまでにしとこか。

J)そうね、あ、あとまだ中国の記事かなにかを紹介するんじゃなかった?


S)あ、そうそう。
 上海市で行われたエアロゾル伝播を含む新型コロナ肺炎伝播経路についての記者会見に、エアロゾル感染があることの確認と、どういう対処がええかが詳しく書いてあるから紹介したいねん。正確かどうかわからんけどGoogle翻訳を載せとくわ。

<上海市で行われたエアロゾル伝播を含む新型コロナ肺炎伝播経路についての記者会見>
https://m.thepaper.cn/newsDetail_forward_5856308…

 2020年2月8日の午後2時、記者会見が上海で開催され、上海市保健委員会のスポークスマンであるZheng Jin、上海市民事局副局長、上海疾病対策消毒センターの所長が招かれました。 hang行区の保健衛生委員会の理事長であるレン・イーとハング・ウェンクアンは、上海での新型コロナウイルス感染による肺炎の予防と制御について紹介しました。
 上海での最近の事例のいくつかは家族クラスターです。 Zeng Qunは記者会見で、家族内の流行状況の予防と管理をさらに強化することの重要性を強調しました。
 健康および伝染病予防の専門家は、特定できる新しいコロナウイルス感染の肺炎の伝播経路は、主に直接伝播、エアロゾル伝播および接触伝播であると強調しました。
 直接感染とは、患者のくしゃみ、咳、話している小滴、および直接吸入された呼気によって引き起こされる感染症を指します。
 エアロゾル伝播とは、空気中の液滴が混合して、吸入後に感染を引き起こすエアロゾルを形成することを指します。
 接触伝播とは、物品の表面に水滴が付着し、汚染された手と接触した後、口腔、鼻腔、目などの粘膜と接触し、感染を引き起こすことです。
 これらの伝送チャンネルに対応して、Zeng Qunはコミュニティの住民に、クラスターの流行の防止に注意を払い、家族のクラスターの流行防止と制御の意識を高め、家庭の流行防止の「7つの要件」を達成するよう促しました。
 まず、すべての社会的集会をキャンセルし、主要な流行地域の親類や友人が上海への訪問を延期するか阻止する必要があります。
 第2に、窓は頻繁に開ける必要があり、室内の空気循環を維持するためにより多くの換気を提供する必要があります。
 第3に、毎日の家庭消毒を行います。75%のエタノールまたは塩素を含む消毒剤で、ドアハンドル、テーブル、椅子、便座などのキーポイントを拭きます。
 第4に、個人の衛生について話します。食事の前後に流水、石鹸、または手指消毒剤で手を洗い、咳やくしゃみをするときは口や鼻をティッシュまたは肘の屈曲で覆います。
 第5に、空気と接触の伝播を避ける:家族は疑わしい症状のある人の体の分泌物との接触を避け、個人の日用品を共有しないでください。食事中は、箸を食べ物と分け、速い食事をし、話をせず、互いに通信せず、手を振ったり、抱き合ったりしないでください、拱手(自分の両手を組み合わせる中国の礼の仕方)をして微笑んでください。
 第6に、厳密な家の隔離:外国人帰還者は関連する調査に協力し、真実を正確に報告し、隔離を受け入れるイニシアチブをとる必要があります。家の隔離と観察を必要とする人は、別々の場所で家族と一緒に暮らすために最善を尽くす必要があります。隔離、同じ部屋に住んでいるすべての家族はマスクを着用しなければなりません。
 第7に、発熱、咳、その他の症状などの家族の健康状態に細心の注意を払い、意識的に他の人との接触を避け、マスクを着用し、できるだけ早く発熱クリニックに行き、治療に完全に協力する必要があります。


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Author:ドゥマゲテ・レポート
3.11以降、色々なことに気づき始めた私たち...
このまま、何事もなかったかのような毎日を過ごしていて良いのだろうか?悩んだ末に、千葉県から北海道に引越し、2017.7思いきってフィリピンに引越ししてきました。北海道に引越しした時も、フィリピンに引越ししても同じように考えている人って居るものです。そして仲間は多ければ多いほど協力して過ごしやすくなるものです。海外で暮らしてみたい人、なかなか思ったように一歩を踏み出せない人に、どうやって私たちが引っ越して来たか、私たちでわかる範囲のこと、特にドゥマゲテとその周辺の情報を発信していきたいと思っています。(J)

J の夫です。2019年3月にドゥマゲテから隣町のバレンシアに引っ越しましたが、ドゥマゲテ周辺ということでブログのタイトルは当面「ドゥマゲテ・レポート」のままでいきます。よろしくお願いします。(S)

*イメージはドゥマゲテから望むタリニス(Talinis)山の夕景です。
*コメントは承認制にさせていただきます。

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