ドゥマゲテからセブへ⑤(サントニーニョ教会、マゼランの十字架、サン・ペドロ要塞)
- 2020/01/28
- 08:00
J)5日目は、セブからドゥマゲテに帰る日だったわね。
S)とは言うても夜7時出港のフェリーやから、いつものようにホテルの朝食をゆったり食べてから、出かけたんやな。
J)向かった先は「サントニーニョ教会」ね。
サントニーニョ教会(Grab Taxiで)


S)チェックアウト後やから荷物もあるし、Grabを使うことにしてん。
J)Grab車のナンバーを聞いて、ホテルの前で待っていたらやって来たのはタクシーだったわ。
S)そうや。Grab Taxiゆうのがあるねん。
J)それまで乗ってたGrab車と何が違うの?
S)Grab TaxiはGrabに登録してるメータータクシーやねん。予約料とメーターで料金が出てくるから料金の範囲はわかるけど事前に確定してへん。それに対してふつうのGrab Carは素人の車で値段が事前に確定してるけど、道路状況による割増金とか決まってるから割高になることがあるねん。たいていはGrab Carのほうが安いみたいやけどな。オレらのときはGrab Taxiのほうが安く出てたから選んだんや。
J)なるほど。ホテルからサントニーニョ教会までは153ペソだったわね。
S)降りた時、別のおばちゃんが乗ろうとしてたけど断ってたで。Grabはアプリで予約せえへんと受け付けへんのやな。
J)それにしてもサントニーニョ教会の前の道路は何となく治安悪そうな、怪しい雰囲気じゃなかった?
S)てゆうか、ドゥマゲテのカテドラル(大聖堂)の前もお金を恵んでほしい貧しい人がようけおるやんか。なんかそれとおんなじような空気やった。セブに行くゆうたら、みんなから、「荷物は前に持たなあかん。せやないと、いつんまにかリュックの中の物盗まれるで、気いつけや」って言われたんを思い出して、大きなリュックを前に抱えて歩いたやんナ。
あ、そやけど、サントニーニョの前の道路はそういう人もちゃんと物を売ってはったで。それがドゥマゲテ大聖堂とはだいぶん違うと思ったけどな。
J)ああそうだったかもね。でも緊張したわ。


J)私たちが教会に入ったら丁度ミサの最中で、少しだけミサに与りつつ、一休み出来て助かったわね。でも聖堂もあるのに、ミサをあげている場所は半分屋外みたいな広場だったわね。
S)多勢おったからやろか。まあ、途中からやったけど、そのミサに少しだけ出られたのも良かったで。その後、教会の内部や売店を覗いたな。
J)教会の天井に十字架を立てる絵があったんだけど、あれ、ふつうのイエスが背負って運んだ絵じゃなくて、マゼランの指示に従ってフィリピンの人たちが十字架を立ててる様子が描かれてたんじゃない?
S)オレもそう思った。それが教会の次に見たマゼラン・クロスやったんやろな。
J)雰囲気がいいから、私たちもしばらく教会の長椅子に座ってみたね。
S)ああ。そのときちょっと面白いと思ったんやけど、中に入ったら遠くのサントニーニョ(幼きイエス)に手を振って挨拶してるみたいな仕草している人がけっこうおったんや。あれはどういう仕草やろ?
J)うん。一度誰かに聞いてみたいね。
S)あと、教会の入り口の方からひざまづいたまま床を擦るようにして祈りながら少しずつ進んでいって一番前まで行く人もおったで。
J)そうね。あれ、手にロザリオを持ってたように見えたわ。ロザリオの祈りをしながら祭壇の直前まで行くんじゃないかしら。
S)ああ、なるほどなあ。
J)そのあと教会の売店を見たけど、サントニーニョ(幼きイエス)の人形がいっぱい置いてあったね。それから教会の周囲もサントニーニョ人形のお店ばかりあったわ。
S)ああいうのは初めてや。そのあとで、教会のすぐ隣にあるマゼランの十字架を見に行ったな。
マゼラン・クロス(マゼランの十字架)
S)マゼランの十字架はこじんまりとした八角堂の中に収められてるねんけど、そこにある木の十字架のさらにその中に実物が保護されてるねん。
J)だから実物は見えないんだけど、中の実物はポルトガルの探検家マゼランが1521年にフィリピンセブ島に到着した際に打ち込んだ十字架なのよね。

S)お堂の周りにはロウソクを売るおばさんたちがおって「買わへんか」って仕草をしてたけど、オレたちはようわからへんで買わへんかった。買った人はそのおばさんがお祈りを手伝ってくれてたみたいやったな。ついこの前、1月19日(日)にサントニーニョ祭のグランドパレードがあったやろ。あのときの写真を見たらお堂の床一面にロウソクが散らばってた。ものすごい数の人が来てたんやろな。
J)その日、バレンシアでもサントニーニョの祭りがあったらしく、以前セブに住んでいたというイギリス人の知人が来ていてたまたま会ったけど、セブのシヌログ祭りはものすごい人で身動きできないって言ってたね。
S)「Crazy!」って言ってたな。行ってみたいような行きたくないような…(笑)
サン・ペドロ要塞(Fort San Bedro)
J)その後は「サン・ペドロ要塞」まで歩いて向かったのよね。

S)サン・ペドロ要塞は広場(独立記念公園)の奥にあったな。石造りでいかにも「要塞」って風情醸し出してた。スペイン植民地時代にスペインが1565年から建設を始めたらしいけど、当時は木製やったんやて。それがイスラムに対抗するために1738年に石造りに作り替えたらしい。そのあとはフィリピン人の反乱に対する要塞にもなってたんやて。
J)入場料はひとり30ペソ(60円ちょっと)だったね。学割とかシニア割とかもあるような話を聞いていたので、確認してみたけれど割引は受け付けてもらえなかったわ(泣)。施設によっては受け付けてくれるのだけどね。
S)ていうか、係員によっても違うんかもしれへんで。石造りの門を通り抜けたら、中は当時のたたずまいを残した建物が博物館になっとったわ。昔の写真とかいろいろあって興味深かったで。
J)そのあと建物を出てちょっと登ったところは眺めが良くて、海を望むように大砲も置かれていたわね。

S)かれこれ見学には1時間ほどかかったかな。
J)さて、帰りだけど、フェリー乗り場はサン・ペドロ要塞のすぐ隣りだったわね。
S)フェリーに乗る前に早めに夕食を食べよう思って、港に隣接したちょっと面白いレストランに行ったんやけど、開店時間になって待っててもコックさんが来えへんで、いつ来るかわからへん、ゆうことがわかってとりやめた。メニュー見て注文決めてたし、眺めもよかったんやけどなあ~。

J)さすがフィリピンよね~!それで結局、近くのジョリビーで食事してフェリー乗り場に向かったのよね。
セブからドゥマゲテへ(コカリオンで)
S)フェリーは午後7時発で、オレたちは食事終えて5時にはフェリー乗り場に行ってたんやけど、まあすごい混み方やったなあ。
J)入口でターミナルフィーを1人25ペソ支払って荷物検査するところまでは良かったけど、その後は身動き取れない程の人混みだったね。学校が休みになるとフェリーは混むよとは聞いていたけど、あれほどまでとはね。
S)船によって乗船口が違うんやけど、それがみんないったん狭い入り口を通ってから行くようになってて、ぎゅうぎゅう詰めや。ずっと立ちっぱなしで出発時間が過ぎてもぜんぜん動かへんから不安になってしもたで。
J)待ってる間にトイレに行こうと思っても、人をかきわけていかなくちゃならないから行こうとも思わなかったわ。閑散期はどんな感じかわからないけど、あれはフェリーターミナルのキャパシティを超えてる感じよね。とにかく行きのドゥマゲテ港の待合室とはまるで違う様子だったわね。
S)結局ドゥマゲテ経由でミンダナオのダピタンに行くオレらの船の乗船だけが残ったらしくて、最後は別の船のために使ってた扉も利用できるようになったから、後ろの若い連中から喝采の声が上がってみんな飛び出すように出て行ったで。
復路のフェリー「ダピタン」
J)船はやっぱり満席のようだったわね。船内で自分たちのベッドを探すのにちょっと時間かかったけど、何とか見つけて荷物も靴も全部ベッドの上へ載せたわね。上段だから上がるのが大変だったけど、ベッドの上は船が苦手な私でも酔うこともなくて意外と快適だったわ。

S)荷物も脱いだ靴も全部ベッドに乗せて寝るからちょっと窮屈やったけどな。シーツも何もないからただ寝っ転がるだけやけど、オレの隣の若い男はベッドを一生懸命掃除してから寝てはったわ。几帳面な人もおるんやなあ(笑)
J)横になる前にトイレに行ってみたけれど女子トイレは中に2つの個室があって、私の入った手前の個室は便器の手前に大きなバケツとそのバケツに入るように水道があり、バケツをまたがないと便器に行けないようになっていたわ。使用後はそのバケツのお水で流すようで、狭くて大変だったわ。
S)男の方もおんなじやったで。
J)トイレを除けばエコノミーのエアコン無しの部屋でも快適だと思ったわ。でも時期にもよるのでしょうね。本当に暑い時期なら大変なのかも。
S)船によっても違うのかもしれへんけど、外の風が中まで入るから暑くはなかったな。それと、上段やったけど、意外と天井の電気は気にならへんかった。まあ、あれは電気の位置にもよるから運が左右するやろな。
J)そうね。下段のベッドでもエンジンの近くで、うるさそうな場所もあったわよね。外側の人は海風が入りすぎて寒かったのか、途中でシートを下ろしていたわね。話に聞いていたゴキブリも出なかったし、意外と寝られたわ。
S)ただ、寝過ごさんようにするのが気になってあんまりぐっすりは寝られへんかったで。出港前に、ウチらの乗る船はドゥマゲテ経由ミンダナオ島ダピタン行きとわかったから、ドゥマゲテに泊まる予定時間を聞いておいたんやな。
J)うん。聞いてよかったわ。チケットにはそんなこと書いてないから、気づかずダピタンまで行っちゃう人もいるよね、きっと。
S)そやな。きっとおるわ。
それから忘れたらあかんのが、出航して少ししたらチケットのチェックにくるねん。失くさないようにすぐ出せるようにしとかなあかんで。
深夜のペディキャブ
J)ドゥマゲテに着いたのは深夜1時過ぎだったかしら?
S)そんな時間でペディキャブがおらへんかったらどないしよ~って思ってたけど杞憂やった。
J)港のペディキャブはきっと高く言ってくるだろうから、あまりに高すぎるようだったら、朝まで深夜営業の店でも行って過ごそうか...と話していたけれど、往路と同じ400ペソで行ってくれると言うので、そのままペディキャブで帰ったのよね。
S)そうや。400ペソゆうたらセブのタクシーでも高いけど、違う市に入るとそれだけで高く取るのが普通やし、あの時間やったらオレらを送り届けたあとで人を拾える時間やないから、高めに払うのが普通や。そやから、3人であの時間で400ペソならまあええんちゃうかと思ったし、運転手にしてみてもええ値段やったから機嫌よく送ってくれはったで。
J)運ちゃんは機嫌良かったけど、途中、バレンシアの坂でバイクがヒーヒー言ってたみたいで、私、心の中で応援してたわ。なんとか無事アパートに帰ってこられてよかったね〜。
S)そしたら、アパートのワンコたちが大喜びで迎えてくれたで~。なんかホッとしたなあ。

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