fc2ブログ

記事一覧

Sのただ今ビサヤ語学習中(16)





接続詞③ nga:その2

(2)「名詞+nga+動詞…」で「…する+名詞」とするnga

<基本例文>
Nikita ko mga tawo nga naghulat og pedicab.

<日本語訳>
私はペディキャブを待っている人たちを見た。

【解説】
・ngaには、後ろに動詞を従えて形容詞句を形成して前の名詞を修飾する働きがあります。
すなわち、
名詞+nga+動詞…「…する+名詞」
となります。
 基本例文では、nga naghulat og pedicab「ペディキャブを待っている」がmga tawo「人々」を修飾しています。naghulat /なgふーらーt/ はhulat /ふーらーt/ 「待つ」に進行中を表すnag「…している」という接頭辞がついた形。og pedicab /ぺでぃb / は「ペディキャブを」という意味。pedicabはトライシクルのことです。mgaは名詞の前に置いて複数を表します。tawo /うぉ/は「人々」の意味。

・nikitaはkita /き/「見る」に過去を表すniがついた形です。最初にアクセントを置くkita /た/は「会う」という意味になります。

・他の例を挙げましょう。
<例>Aduna ba kay plano nga muanhi sa Dumaguete?
「あなたはドゥマゲテに来るという計画はありますか」
・plano /ぷの/ は「計画」という名詞。nga以下がplanoを修飾しています。muanhiはanhi /nひ/「来る」に未来を表すmuがついた形。sa Dumagueteで「ドゥマゲテに」という意味。 
・aduna /あどぅな/ は「持っている」、baは疑問文に用いて疑問を強調します。kay /かい/ はka /か/「あなた」に音の流れをよくするためのy /い/ がついた形。



(3)「名詞+nga+主語+動詞…」で「主語が…する+名詞」とするnga

<基本例文>
Basin naay mga dili sakto nga parte nga ilang ibutang.

<日本語訳>
もしかしたら彼らが取り付ける部品には不良部品があるかもしれない。


【解説】
・ngaには文構造のあるまとまりの前につけて直前の名詞を修飾させる働きがあります。

・末尾のilang ibutang /いん(g) いぶん(g)/ は「彼らが取り付ける」という意味の文構造になっており、ngaを介して後ろから直前の名詞句mga dili sakto nga parte /でぃ[/] kとぅ ん(g)あ rて/ 「不良部品」を修飾しています。nga ilang ibutangは英語の関係代名詞節に相当する働きをしていると見ることができます。

・ilang /いん(g)/ はsila /すぃ/「彼ら」の所有格ilan /いn/ 「彼らの」にngaの働きをする語尾gがついたもの。ibutangはbutang /ぶn/「置く、取り付ける」という動詞に未来を表す接頭辞 i がついたものです。ilang ibutangで「彼らが取り付ける」という意味になります。
(主語に当たる「彼ら」は主格ならsilaとなるはずですが、ここで「取り付ける」は「彼らの」行為なので意味的連想から所有格が用いられます。いずれ代名詞についてはまとめるつもりですが、このようにビサヤ語では主格や所有格また目的格が相互に融通し合う関係がしばしば見られます)

・mga dili sakto nga parteのmga /まん(g)/ は複数を表します。dili saktoはsakto「良い」にそれを否定するdili「でない」がついたもので、「良くない、不良の」という意味。parte /rて/は「部品、部分」、ngaは形容詞を名詞に接続する語です。

・basin /すぃn/ は「たぶん、もしかしたら」、naay/な[/]い/ はnaa /な[/]/「ある」に音の流れを良くするためのy /い/ がついた形です。


(続く)

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ドゥマゲテ・レポート

Author:ドゥマゲテ・レポート
3.11以降、色々なことに気づき始めた私たち...
このまま、何事もなかったかのような毎日を過ごしていて良いのだろうか?悩んだ末に、千葉県から北海道に引越し、2017.7思いきってフィリピンに引越ししてきました。北海道に引越しした時も、フィリピンに引越ししても同じように考えている人って居るものです。そして仲間は多ければ多いほど協力して過ごしやすくなるものです。海外で暮らしてみたい人、なかなか思ったように一歩を踏み出せない人に、どうやって私たちが引っ越して来たか、私たちでわかる範囲のこと、特にドゥマゲテとその周辺の情報を発信していきたいと思っています。(J)

J の夫です。2019年3月にドゥマゲテから隣町のバレンシアに引っ越しましたが、ドゥマゲテ周辺ということでブログのタイトルは当面「ドゥマゲテ・レポート」のままでいきます。よろしくお願いします。(S)

*イメージはドゥマゲテから望むタリニス(Talinis)山の夕景です。
*コメントは承認制にさせていただきます。

検索フォーム