ドゥマゲテの動物たち
- 2019/02/25
- 08:00
J)私たちの住んでいるドゥマゲテは色々な動物と人間が同居している町よね。
S)そやな。
いたるところに鶏がおって深夜からコケコッコーて鳴いてるのはもうあたりまえになってしもたけど、オレが朝散歩してたら道にも鶏が歩いてるし、牛が一人で散歩してるんにもよお出会うで。ヤギかて勝手に散歩して道草食べてるからな。

S)で、夕方から夜にかけてはトッコのリズミカルな声で1日が終わるっちゅう感じやな。

J)はは。そんなにうまくもいかないけどね。
あとは野良犬ね。ここに来る前は野犬がたくさんいて危ないって言われてて確かに多いけど、怖いかっていったらそうでもないわ。野犬は飼い犬に比べたらおとなしいわよね~。
S)そや、人間とすれ違っても何にも気にせんと普通にスタスタ歩いてるで。なんか人間とすれ違ってるみたいな感じやねん。ほんの一部テリトリー張ってるみたいな住宅街があって、そこは吠えられることもあるから通らへんようにしてるけど、他のたいていのとこの野良犬は人間社会に適応してるで。ここらへんの連中とはすっかり顔なじみや。
J)それと、このへんの野良ちゃんはどこででも足を投げ出して横になって寝ているよね。日本ではあまり見なかった光景だよね。


S)そういう文化なんかいな。日本やったらふつう伏せて寝るやんか。でも、さすがに道の真ん中で横になって寝られたら、死んでるんちゃうか思ってドキッとすることあるな。
J)そういえばあなた夜歩いてて蹴飛ばしちゃったことあるんでしょ?
S)ああ、そんなことあったな。あれは夜でな。相手は子犬やったんや。キャン!て叫び声あげてな。それで母親らしい犬がこっちに向かって吠えてきた。「悪気なかったんや、ごめん」てそぶり見せたらそれ以上追ってくることはなかったけどな。人間を信用してる野良ちゃんに悪いことしたわ。
J)道にけっこうはみ出して寝てることもあるから気をつけないとね。
こっちのフィリピン人もそんな野良ちゃんのことは特別悪いことをしなければ、野良ちゃんとしての存在を認めているって感じよね。
S)だから向こうも安心しきってる感じやな。なんかほっこりしたもん感じるわ。
J)子犬が何匹かじゃれあってるところに親らしい野良犬がいることもあるね。あと、うちの近所じゃ牛がいつも家族でいっしょにいるよね。
S)そうそう。牛飼いが草の生えた空き地に連れてきて適当につないで行くねん。でも子牛は首に縄だけついてるけどつないではおらへんで。自由やねんけどいっつも母親か父親の近くにいるやろ。
J)あれを見てるとフィリピンの動物たちは家族一緒に暮らせて幸せね。
S)日本で目にした牧場の風景は、一見のどかでええなぁ、思ってたやんか。でもよー見ると胃の中を直接覗けるようにポケットがついている牛がおったり、小さいうちから母牛とは離ればなれに暮らすことにされたりで、人間は残酷なことしてるよなて思ったで。
J)あれは大学の牧場で、酪農の研究用って言ってたけどね。でも、説明してた人が「牛はこうされても痛みを感じないみたいです」って言っててびっくりしたわ。
S)そんなわけないで~。穴開けられるときは痛かったはずや。それにお乳採取できる期間も限られてるらしいから、用済みになったら処理されてしまうらしい。かわいそうやなあ。
J)まあ、こっちの牛も最後はお肉になっちゃうのかもしれないけどね。
S)おお。恐ろしいこと言うなあ。
J)あれまあ、この前もビーフハンバーグ食べたくせに。
S)ああ。あれは美味しかった。て、何言わせるねん。
ビーガンになる手もあるかもしれへんけど、個人的には今はちょっと無理や。
J)私も。でも、せめて生きている間だけは幸せでいてほしいね。
S)そうやな。そのほうが肉も美味しなるで、きっと!
J)う~ん。( ̄◇ ̄;)やっぱり人間て残酷ね…。(汗)